理論と実験の協奏による柔らかな分子系の機能の科学-文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」領域代表者 田原太平 (平成25-29年度) やわぶん

 

第9回 ワークショップ

大盛況のうちに終了致しました。
多数の御参加ありがとうございました。
詳細はニュースレター(No.19 ニュースレター 平成 27 年 03 月号)をご覧ください。

新学術領域「柔らかな分子系」第 9 回 ワークショップ
「柔らかな系を扱う自由エネルギー計算手法」
【 日時 】 2015 年 3 月 16 日 (月) ~ 17 日 (火)
【 会場 】 東北大学理学研究科化学専攻 第 1 講義室 (青葉山キャンパス)
【 アクセス 】 http://www.tohoku.ac.jp/japanese/profile/campus/01/aobayama/index.html
キャンパスマップ 8 番の建物。
【 趣旨 】 柔らかで自由度の大きな系を理解するために、自由エネルギーの計算は理論面における共通の関心事である。実際にいろいろな分野で多様で、しかも共通性をもった計算手法が用いられている。本領域で自由エネルギー計算に関わる研究者が分野を超えて、その計算手法やその原理、アルゴリズムなどについて互いに理解を深め合う。講師の先生には十分な時間をとっていただき、研究成果よりも、その計算手法の詳細に重点を置く研究会とする予定である。
【 参加申込み 】 参加申し込みは、以下の申し込みフォームを使用して、1 月 15 日 (木) までに外崎さん (森田研秘書 m-tono_at_m.tohoku.ac.jp)にお願いします。
(_at_を@に置き換えてください)
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氏名:

所属・身分:

宿泊希望 (*): 有 無

旅費の補助希望(学生のみ) (**): 有 無

備考:

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(*) 宿泊の詳細は、以下にお問い合わせください。
(**) 人数に限りがあるので、申し込みは先着順とさせていただきます。
【 お問合せ 】 東北大学理学研究科化学専攻 森田明弘
e-mail: morita_at_m.tohoku.ac.jp
(_at_を@に置き換えてください)

プログラム : 3 月 16 日 (月)

13:00-16:00 森下徹也博士 (産総研)
「LogMFDによるレア・イベントサンプリングと自由エネルギー計算」

 LogMFDはlogarithmic mean-force dynamics の略称で、反応座標を仮想的な力学変数と見なし、自由エネルギーをそのポテンシャル関数とすることで時間発展させる手法である。
これにより通常のMD計算より遥かに効率良く自由エネルギー障壁を越えることが可能となり、計算の大幅な短縮が可能となる。また構造(位相空間点)のサンプリングを通してon-the-flyで自由エネルギーを求めることができる。これpost processing を必要としない自由エネルギー計算手法であり、LogMFDが初めて実現したものである。
講演ではモデル生体分子に対するベンチマーク計算結果もご紹介したい。
16:00-16:30 山守 優 (東大分生研)
「マルチスケールサンプリング手法 MuSTAR MD を用いた自由エネルギー計算」
16:30-17:00 高橋 英明 (東北大理)
「QM/MM-ER法による電子密度揺らぎの自由エネルギー解析」
17:00-17:30 林 重彦 (京大理)
「QM/MM 自由エネルギー構造最適化法の理論と思想」
17:30-18:00 森 俊文 (分子研)
「効率的な自由エネルギー計算と構造サンプリングに向けたIntegrated Hamiltonian Sampling法の開発」
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プログラム : 3 月 17 日 (火)

9:00-12:00 藤崎弘士博士 (日本医大)
「生体分子における反応経路とキネティックスの計算手法」

 現在、計算機の演算能力はますます上がっているが、タンパク質の構造変化に代表される、柔らかい分子系のレアイベントを計算するにはまだ十分ではない。そこでここではレアイベントを計算するために必要となる最小自由エネルギー経路や、その上でのキネティックスを計算するための手法について解説と議論を行う。
13:00-16:00 山下雄史博士 (東大先端研)
「創薬科学における結合自由エネルギー予測法の展開」

 医薬品を設計する際に、最も重要になる物理量は結合自由エネルギーであろう。もちろん、ADMET(体内動態)など他にも調べるべきものはあるが、まずは標的のタンパク質に結合しないことには薬効が期待できない。こうした観点から、創薬科学では、これまで多くの結合自由エネルギー予測法が提案されてきた。また、近年、10PFlopsの演算性能を誇るスーパーコンピュータ「京」が開発されたことで、分子動力学シミュレーションに基づく高精度な自由エネルギー予測法を創薬に応用する試みが始まっている。本講演では、創薬で使われる結合自由エネルギーの計算手法や我々が始めている分子動力学シミュレーションに基づく予測法を分子科学的観点から解説する予定である。
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