理論と実験の協奏による柔らかな分子系の機能の科学-文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」領域代表者 田原太平 (平成25-29年度) やわぶん

 

第1回 アウトリーチ

大盛況のうちに終了致しました。
多数の御参加ありがとうございました。
詳細はニュースレター(No.16 ニュースレター 平成 26 年 12 月号)をご覧ください。
【 日時 】 平成 26 年 11 月29 日 (土) 16:00~18:00 (15:30受付開始)
【 会場 】 大阪大学理学部本館 4 階会議室
大阪府豊中市待兼山町 1-1
【 アクセス 】 大阪モノレール芝原駅から徒歩 15 分
阪急電鉄石橋駅から徒歩 30 分
http://www.sci.osaka-u.ac.jp/ja/access/campusmap/
【 講師 】 講師1 : 北尾 彰朗 (東京大学・准教授)
講師2 : 中西 尚志 (物質・材料研究機構・MANA独立研究者)
【 プログラム 】
15:30~16:00 参加受付
16:00~16:30 講師 1 のお話し
16:30~17:00 講師 2 のお話し
17:00~18:00 体験コーナー
(コンピュータ、分子モデル、実際の分子を使った体験)
【 対象 】 高校生
【 定員 】 先着30名
事前の参加登録をお願いします。
【 参加費 】 無料
【 申込方法 】 氏名、学校名、学年を明記して、E-mail で申し込んでください。
【 参加申込・
問合せ先 E-mail 】
yawaraka.outreach@gmail.com
参加登録ができたかどうかE-mail で返信しますので、このメールアドレスからの返信を受け取れるようにしてください。
【 主催 】 文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」
理論と実験の協奏による柔らかな分子系の機能の科学

サイエンス体験の内容

講師 1 : 北尾 彰朗 (東京大学)「コンピュータでタンパク質の柔らかさに触れよう」

  生きていくために、生物の中でたくさんの分子が働いています。タンパク質は、最低でも数百個以上の原子からできている大きな分子です。タンパク質は、20 種類の部品 (主にアミノ酸)が様々な順序でひと続きにつながった鎖のような分子です。それぞれのタンパク質にどの種類のアミノ酸がどのような順序で何個並んでいるかは、生物の設計図にあたる遺伝子に遺伝暗号で書き込まれています。つまり、遺伝子に基づいて生物の中で作られる主な製品がタンパク質です。タンパク質は他の分子を分解したり、合成したり、モーターのように働いたり、いろいろな働きをしています。生物を構成している他の分子の働きも、主にタンパク質によって制御されます。
  タンパク質はとても長い鎖状の分子ですが、多くの場合、伸びきった状態ではなく、ある程度まとまった形をしています。タンパク質は形が変わる「柔らかな」分子であり、働くときにも形を変化させます。その様子を、原子が見えるくらい顕微鏡で拡大し、直接観察することはまだできないのです。しかし、コンピュータの中に本物にそっくりなモデルを作って、どう動くかを計算する「分子シミュレーション」をおこなうことで、タンパク質などが働く様子を原子1つ1つの動きから観察できるようになってきました。このサイエンス体験では、タンパク質の分子シミュレーションを中心に、タンパク質の働きを紹介します。
講演 : タンパク質分子の基本的な性質と働きを説明します。また、分子シミュレーションの原理や、タンパク質が柔らかさを使って体の中で働く仕組みを解説します。
体験コーナー : コンピュータの画面に表示されるタンパク質分子を「力覚デバイス」という機械を使って、押したり引っ張ったりして触ります。また 3D プリンターで印刷したタンパク質モデルを触って、2 つのタンパク質分子がどのようにくっつくのか実感してもらいます。

ウィルスのタンパク質が細胞に侵入する様子 力覚デバイス

講師 2 : 中西 尚志 (物質・材料研究機構・MANA独立研究者)「新種の液体分子をデザインする」

  身のまわりにある液体分子は何ですか、ときかれて最初に思い着く分子は何でしょう? おそらく水だと思います。水分子 (H2O) の他にも、有機溶媒と呼ばれるクロロホルム (CHCl3) やベンゼン (C6H6) といった分子が一般的な液体分子として知られています。液体とは、分子が決まった方向や配置で並んでおらず、流動的な状態を意味します。一方、結晶など、固体の状態では分子は規則的に並んでおり、通常は粉末やより大きなかたまりとして存在します。もちろん固体の状態にある分子も熱をかけると融点に達し、溶けて液体となりますが、高温になるためその取り扱いは容易ではありません。今回のサイエンス体験では、室温で青色の光を発する青色発光性液体 (液体分子の中に「蛍光」という仕組みで光を発する色素が埋め込まれています) や、光を良く吸収して光のエネルギーを分子に取り込む新種の液体である液体フラーレン (真っ黒な炭素材料の一種であるフラーレンが液体内に含まれています) について紹介します。
講演 : 新種の液体の分子構造をデザインする方法や、様々な色で光ったり、電気を流したりする特性を思いのままに操る方法に関して説明します。
体験コーナー : 普通は固体として存在する分子を液体に変化させる方法に関して、分子のモデルを使って説明します。また、実際に開発した液体分子そのものを見て、触れてもらい、柔らかな分子を体感してもらいます。
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